さぁ、天体望遠鏡奮闘記の始まりです。

2001年2月10日 (土)  天体望遠鏡がやって来た

 まったくヒョンなことから、我が家に天体望遠鏡がやって来

た。やって来たというより、貰ってきた、運んで来たというべ

きか・・・。何年も前、元町何丁目かにあった望遠鏡ショップ

を覗いては、欲しいなぁ〜と飽きずに何時までも眺めていた、

あの天体望遠鏡が、やって来たのだその勇姿に、ただ、ただ見とれるだけ・・・。事情はこうだ。同じ町内の

Tさんが知り合いから貰った物らしいが、「使い切れそうにないのでどうぞ!という訳である。なんでも、ハ

レー彗星の前回の回帰時に買われた物らしい。その後、使われることもなく悲しいかな、洋服掛の代用に甘ん

じていた物だという。望遠鏡としては、不遇の時を過ごした訳だ。心配するな!これから徐々に表舞台に出し

てやるぞ・・・・!!

鏡筒に貼ってある、銘板には次のように書かれている。

Astronomical Reflection Telescope
D=100mm MIZAR F=1000mm
HINOOPT. Tokyo , Japan



2001年2月20日 (火)  何がなんだかさっぱり解らない!!

 しばらく、その勇姿にみとれながら考える。が、何が何だかサッ

パリ解らない。解るのは、せいぜい「三脚」と「鏡筒」くらいのも

の・・・・。なにしろ、タイガースの前回の、優勝と同じだけ古い

望遠鏡である。「取説」がついてきた訳でもない。途方にくれてい

る時、フッと思い出した。バンコク駐在から帰国した時、確か「天

体望遠鏡の使い方」とか、何とかいう本を、買ったはずである。

そう、あのヒマラヤで見た、光害にじゃまされない見事な星空に感動して買い込んだ本だ。パラパラとめくり

ながら、斜め読みして、本棚に突っ込んでおいた。震災で、ゴチャゴチャになって、箱に詰めたまま、何処か

にあるはずだ。あれを探しだそう。全てはそれからだ!!



2001年3月5日 (月)  「星ナビ」を買ってみる

 一体、星を見るという世界は、どんなものなんだろう。星の何を、どう見るのか?まず、それを知らない

ことには、取り付きようがない。欲しいなぁ〜と、眺めているだけの時は、こんな事は考えもしなかったので

とりあえず、本屋へ走る。ある、ある。3冊を見比べて、一番取っ付き易そうな「星ナビ」という月刊誌を

買ってみる。開いてみると、「都会の中で、星を見る」

       「皆既月食」

       「星と音楽」

       「天文台情報」

       「今月の太陽系」

       「今月の星座ーオリオン座」「散光星雲M42」

など、など・・・・プラネタリウムの自作記まである。

プラネタリウムを自作するなんて、どんな人なんだろう。



2001年4月8日 (日)  「星」を見るんです!

 「星ナビ」を読みながら、考える。一人で暗中模索するより、手っ取り早く、望遠鏡ショップで勉強させて

もらおう・・と。広告ページをチェックしても、神戸では、見つからない。大阪駅近くに、Kという店が

あるのが解った。所用で、大阪へ出たついでに、その店に寄ってみることにする。馬券売り場にたかる人々

の間をすりぬけながら、15分ほどで探し当てる。日曜日というのに、店内に客の姿はない。しばらく、

展示物を眺めていると、奥から、ネクタイ姿の若い男が、一人出てきた。挨拶を交わして、しばらく経って

から、やおら聞いてくる。

   「何を見たいんですか?」

   「もちろん、星です。」・・・・

内心、他人のプライバシーなんか覗くつもりじゃない。失礼な・・とチョッと腹立たしい。

   「イエ、月ですか、・・惑星ですか、それとも星雲や星団ですか?

    それによって、機材が大いに違ってきます。」

   「ウーン・・・!!」あと、言葉が続かない。

天体望遠鏡さえあれば、何でも見られると漠然と思い込んでいる自分が恥ずかしい。しどろもどろで、二言

三言喋って、早々に店を後にする。夜、久しぶりに弟から電話あり。望遠鏡の話をすると、

   「天文科学館で教えてくれるやろ・・。行ってみたら。」

という。そうか、望遠鏡も買わずに、店で教えてもらうのは、虫が良すぎる・・か。

後になって、今日のこの会話が自分の望遠鏡の限界を知り、観望の方向を決めることになるのだが、

この時はまだ気づかない。複雑な気分で、床についた。



2001年4月14日 (土)  Yさん・・・元航海士

 気楽に造園業を営む・・・私にはそのように見える・・・Y

さん、80近いというのに、とても元気だ。そのYさんは、私

とおなじ元航海士・・・で、ある日、望遠鏡のことを話したら

山中に倉庫兼農園と、別に別荘地があるという。星を見るには

暗い所がいいだろうから、「ご自由にお使いください。」と、親切に申し出てくださる。 10日ほど前、農

園をみせてもらった。そこは、残念ながら山の斜面の一番下の端っこで木立もあり、空の 視界が開けている

とは、言いがたい。で、今日、別荘地の方へ遠征することになった。Yさんの車に便乗して、○○○号線を

ひたすら北へ向かって、一時間、街を過ぎ、集落を抜けて3、40分・・・確かに山の中だ。が、別荘らしい

建物は一軒もない。近くの小高い丘の頂上まで案内してもらったが残念ながら、ここにも木立があって、星見

のポイントとしては、いまひとつ・・・・。そうかぁ〜と言葉が見つからずにいると、「もう少し奥へ入ると

建設中のゴルフ場がある。」と・・・。そこだ、そこだ。だが、それは、また別の日に、一人で探索に来るこ

とにして、今日は、帰ることにする。



2001年4月15日 (日)  BERNARD'S NAUTICAL STAR CHART

 先日のYさん、今日は「Bernard's Nautical Star Chart」を持ってくる。

航海用星図というもの。「星を見るには必要でしょう。」と、自分で使って

いたものを、惜しげもなく置いて行く。結構、使い込まれている。折り目は

あちこち傷んでいて、和紙で裏打ちしてある。Yさんの、航海中の苦労が偲

ばれて厳粛な気分になる。しかし、これは確かにありがたい。夜空を見上げ

ても、すぐにわかるのは北極星、夏の大三角、オリオン位でシリウス、プロ

キオン、ポルックス、カストル、カペラと順序は覚えていても場所と結びつかない。きれいに忘れている。

天測計算に使う星と、見て楽しむ星は同じではない

だろうけれど、短時間で星空を思い出すには、格好

のものだ。この星図を見て、思わず、仕舞い込んで

あった、六分儀と双眼鏡を取り出して自分の昔を偲

んでしまった。

写真は、太陽観測をする三等航海士時代の私。

1965年1月1日太平洋上。



2001年4月18日 (水)  本が出てきた

 10日程まえに、探していた本を見つけた。まず、屈折式と

反射式の違いから始まって、赤道儀と経緯台、極軸望遠鏡、赤

緯軸、赤経軸と名前や働きをチェックしながら、実際にはどう

動くのかおそるおそるノブを回してみる・・・・ここ何日かは

本と現物を引き比べながら、確かめ確かめの毎日であった。お陰で、なんとか基本的なことは、理解できた

と思う。カメラのキャップと同じで、極軸望遠鏡の対物側には、ねじ込みのキャップがしてあるのに、それ

が解らずに何度覗いても真っ暗で、おおいに悩みもした。この次からは、覗くことに進んでいこう。



2001年5月11日 (金)  写真にトライ

 今日は、初めての天体写真にトライしてみる。それも月の連続撮影にだ。チョッとどころか、だいぶ望みが

高過ぎる気がしないでもないが、やってみよう。Nikonのボディーに20mmの広角をつけて、三脚にのせる

のせる前に、巻き戻しボタンを押し込んで固定し、クランクも固定してシャッターを切っても、フイルムが

進まないように細工したのは勿論だ。今夜の月出22時28分、月没7時37分。しかし、何枚も重ねて

シャッターを切るのに一枚の露出は、どうすればいいんだ。一枚一枚が適正だと、重ねるとオーバーになる

のは目にみえている。といって、回数の合計で適正になるように、一回の露出を抑えると月の像はどうなる

20mmで写したフイルム上の月の大きさは2mmか3mmしかないはず、それが露出アンダーだとどうだ。

考えても頭が痛いだけだ。とにかく、一度やってみよう。2Fベランダに三脚とカメラをセットして待つ。

24時に月の移動経路が、ファインタ゛ーの対角線に沿うようにセットし直して、最初のシャッターを切る。

そして2時半まで、10分おきに15回シャッターを押して終わる。「やってしまったぁ!」という、

安堵とも何とも言い難い感慨を抱きつつカメラを片付けた。結果は、ほぼ予想がつく。期待せずにフィルム

の仕上がりを待とう。



2001年5月14日 (月)  当面の目標・8月16日の「木星食」

 さぁ、望遠鏡で天体を見るということに、進まないといけないんだが、当面の目標を決めておくほうが、

張り合いをもってがんばれるような気がして、探してみる。やはり、「星ナビ」に頼らざるを得ない。

ある、ある・・・。8月16日に木星が月に隠れる「木星食」がある。この木星食は望遠鏡で観測し、写真を

写せるようにしよう。それまで、ほぼ3ヶ月ある。



2001年5月20日 (日)  天文科学館

 今日は、この前、弟に言われた天文科学館に行ってみる。入場券を買って中に入る。ここは、初めて来る

ところだ。プラネタリウムは、小学生のときに、四つ橋にあった電気科学館で見て以来 ・・・・・だが、

今日はプラネタリウムよりも天体望遠鏡だ。入る時にもらったチラシや、ホールの掲示物を見て回る。が、

「天体望遠鏡を教えて・・・」と、言えそうな雰囲気は、どこにもない。2階のドームの前を素通りして、

3階の展示室にあがるが、気もそぞろで、展示物を見るどころではない。4階の天文サロンに入って、本が

沢山並んでいるのを見て、少し落ち着く。窓側には、コンピュータのモニターが3台並んでいて、親子連れ

がたかっている。一番奥の少し狭くなった隅っこに、机がひとつ・・・・そこに、年配の女性が一人、こち

らを見るでもなく・・・という格好でポツンと座っている。こちらも何食わぬ顔で、並んだ本の背表紙を見

ていく。高度な天文学の学術書から、子供向けの本まで、実に多種多様だ。すばる望遠鏡で写したという写

真集や、「星ナビ」「天文ガイド」他の、月刊誌も3冊揃っている。一冊を手にとってパラパラとめくりな

がら、それとなく横目で、女性の様子を伺う。特に仕事らしいことをするでもなく、机の上に、放り出した

両手で、ボールペンを弄んでいる。で、手に持った本をパタンと閉じて「すみませんが・・」と声をかけた。



2001年5月26日 (土)  星を写す

 今夜は、星を写してみよう。私は、小学校6年生の時には、すでに写真を写し始めていたが、どう思い出し

ても、夜空を写した記憶がない。この前の、月の写真と同じで、どんなことになるやら ・・・・。今夜は

55mmの標準をつけて、レリーズを使うことにする。ISO400の、カラーネガフイルムを装填して、西

空に見えるさそり座をねらう。今は火星がさそり座にいるので、火星とアンタレスが目立つ星だ。そして、

5秒・10秒・15秒・20秒・30秒・60秒120秒・・・・と、露出を変えながら撮影していった。

24時30分、フイルム一本撮り終わって、撤収した。




2001年6月1日 (金)  星の友の会

 先日の天文科学館、いろいろ話しながら、結局「星の友の会」に入会するのが、一番の早道とわかり、申込

書を書いて、会費を納めてきた。申込書の最後の欄に、持っている望遠鏡について記入するようになってい

る。まず、屈折か反射か・・・これは間違いなく反射望遠鏡だ。そして、赤道儀か経緯台か・・・ここで、

はたと考える。手動でしか、追尾出来ないのに、赤道儀と言えるのかなぁと不安になって、経緯台に○を

つけた。そして、待つこと一週間、今日会員証が送られてきた。少し、誇らしい気分だ。友の会の行事予定

例会、今年の天文現象・・等など、同封されている資料を読み漁って、1日が暮れた。



2001年6月3日 (日)  星見ボイント探索

 今日は、Yさん別荘地の先にあるという、星見ポイントの探索に、出かけることにする。日曜日だと、工事

は休んでいるであろうと、この日を選んだ。○○○号線を左に折れたところから、助手席で記録したビデオ

映像に従って車を進めていく。この次から来る時は、夜走ることになるので、ルートをしっかり頭に刻み

つつ走る。前回より15分程余分にかかって、別荘地の入り口に着く。ここで、車を止めて、あらためて辺

りの様子を眺めて見る。人家は既に無い。道路に沿って畑があるが、人の姿は見えない。畑の周りには、針

金が張られている。鹿や猪が出るのであろう。砥峰高原のように、「熊出没注意」などと書かれていると、

緊張するが、ここには、そのような注意書は一切無い。そして、ゆっくりと車を進めていくと、すぐに舗装

が切れて、二本の轍が延びる山道となった。さらに進むと、500メートルほどでそれらしい入り口があり

工事主体など権利関係を書き記した、大きな看板がものものしくあって、大阪の住所が書かれている。入り

口には、立ち入り禁止とは書かれていないし、扉があるわけでもない。中は、ブルドーザーで整地されて

いて、芝をはる前のゴルフ場そのものであることは、すぐに見てとれる。しばらく様子を伺うが、車両が動

き回る気配も、人の気配も全くないので、どんどん車を進める・・・・・・。こうして、私の星見ポイント

探索行は無事終了した。残念ながら、他人の土地へ、無断で立ち入ることになるので、場所を公表すること

は出来ない。N市郊外とだけ書いておこう。この次は、夜やって来て、空の暗さを見てみよう。



2001年7月20日 (金)  いよいよ、夜の星見ポイント

 今夜は、好天が期待できそうなので、夜星見ポイントへ行ってみることにする。望遠鏡一式車に積み込んで

2時間ほど仮眠する。24時過ぎ、ソロソロと車を出して、一路ポイントへ・・・。午前2時現地着、望遠

鏡のセット開始・・・2時30分セット完了。撮影を始める。カシオペア、北極星と進めていく。が、3時

過ぎると、一瞬のうちに雲が出て、撮影不可となってしまった。望遠鏡セッティングは手際よく進められる

ようになってきた。今夜、気づいたこと・・・蚊対策を考えたほうが良いことと、このポイントから見る空

は、自宅で見る空よりはずっと暗いこと。ここまで出かけて来る、値打ちは充分あるということ。

4時過ぎまで、車の中で仮眠して帰途についた。6時少し前に家に帰りついて、昼までグッスリ寝込んだ。



2001年8月12日 (日)  観測場所の下見

 今日は快晴だ。しばらく前から、木星食の観測場所として考えている、例の場所へ行ってみる。食の時間に

合わせて、13日の3時半起床、4時着・・・望遠鏡のセットをし、木星、月、オリオンと見て回る。6時

様子が見て取れたので、片付けて帰ることにする。望遠鏡を車に積んでいる時に、この先の工場へ出勤する

人が、一人通り過ぎていった。



2001年8月15日 (水)  木星食

 さぁ、今夜は待ちに待った木星食当日・・・天気は心配なし。準備も万端。観測場所の下見も、2日前に

済ませた。家から500メートルほど離れた、だだっ広い丘の頂上だ。広場の東端にはレディーミックスの

工場が昔からある。望遠鏡を設置する所は、整地されていて、雑草も生えていない。工場の敷地かもしれな

いが、勘弁してもらおう。夕食の後、早めに望遠鏡を車に積み込む。カメラも然り。そして、満を持して、

しばらく仮眠することにする。午前1時、目覚ましに起こされる。簡単に身繕いして、車を出す。真夜中に

ゴソゴソ車を出すなんて、悪いことをしている訳でもないのに、ナンカ妙な気分だ。1時半キッカリ観測場

所に到着。さっそく望遠鏡の設置にとりかかる。三脚を広げ、用意してきた三枚の木切れをかまして、安定

させる。そして、極軸望遠鏡の真ん中に、北極星を導入する。次はバランスウェイト軸を捻じ込んでから、

ウェイトを取り付ける。これが簡単なようで、なかなかだ。暗闇のなか、手探りでやらないといけないので

思うように行かない。最後に鏡筒をのせて完了。ここまで、小一時間・・・・。次はカメラだが、残念なが

ら、望遠鏡にカメラが未だ取り付かない。イメージとしては、解っているんだが、実際には、どんなアダプ

ターを、どこで手に入れればいいのか、サッパリだ。仕方がないから、手持ちのカメラを三脚に据えて、撮

影と観望を別に行うことにする。35〜70mmのズームに2倍のテレコンを足して140mm・・・・

これが、今のところ用意できる最大の望遠・・・。すべて準備ができて、時計を見ると2時半過ぎ・・・・

車のクーラーで少し涼んで、写真を写し始めた。



木星食の写真へ


3時02分 食の開始   03分には完全に隠れた。そして、3時59分に、ガリレオ衛星まですべてが

出現して、食が終わった。



2001年10月7日 (日)  今度は土星食

 明日10月8日午前3時過ぎ能登半島、東北地方以北で、土星が月に隠れる土星食がある。残念ながら、

神戸では隠れない。で、能登半島最北端まで遠征する。遠征するとは言っても、一人だといろいろ大変なの

で、F夫妻、望遠鏡のTさんを誘って総勢5名で、観光がてら、禄剛崎灯台公園で、星見と食の観望をしよ

うという計画をたてた。泊まるのは、灯台のすぐそばのペンション......ライトハウス。途中や帰路の観光

については、このホームページの意図するところではないので、ここでは全て割愛して、星見の様子だけ・

・・・夕方、少し早めにチェックインして、明るいうちに灯台公園へ行ってみる。ペンションから、舗装

された急な坂道を登ること300メートル・・・・公園が広がる。見たところ街灯が一切ない。急な雨を凌

げる、屋根つきのベンチがあり、一角にはトイレもある。申し分のない環境だ。唯一の難点は、車で機材を

運べないこと。食の時間が、0300から0430の範囲にあるので、午前2時から、準備を始めるつもり

でいたが、午前1時からに変更する。そして、夕食後、暗くなってから、Tさん共々3人で星見にでかける

予想したとうり、余分な明かりは全くない。出たばかりの月明かりは、あるものの、北東から天頂を通り南

西にのびる、天の川が見える。素晴らしい星空・・・・土星食に期待して、早々に仮眠をとる。午前1時・

・・一人で起きだして、まず機材を運ぶ。これがなかなか大変だ。落として壊しても困るので、一度には運

べない。で、三脚、鏡筒、カメラケースと三度に分けて運ぶ。全部運び終えて、一休みして時計を見ると、

もう2時だ。空には星がきれいに見えている。ゆっくり堪能したいところだが準備が先だ。それから、セ

ッティングにかかる。なんども練習したかいがあって、30分で完了。さぁこれからだ・・と空を見上

げたら、何と、西の空から雲が出てきたではないか。でも、月は東の空だ。急いで妻とTさんを呼び出す。

しかし、雲はその後も広がる一方で、回復の気配すらなく、終わってしまった。残念 ・・・・・。



2001年11月10日 (土)  しし座流星雨の予行演習

 今日は快晴。ネットの天気予報で雲の様子を見てみる。過去24時間の動きから見て、今夜は一片の雲も無

い好天が期待できそうなので、ポイントへ出かけることにする。勿論、しし座流星群の練習のためである。

今回は写真に専念だ。出来れば全天をカバーするFish-eyeが欲しいところだが、望むべくも無いので、標準

と20mmで2、3ヶ所の空を、目立つ星座とともに、写しこむことにする。21時30分現地着。一応望遠

鏡はセットする。完了したとたん、雲が出て、雲量8、観望どころではない。が、雲はゆっくりと動いて

いる。動いていれば、そのうちに晴れると待つことにする。結局、この夜は、22時〜23時、01時〜

02時30分までの2回雲が出て観望不能であった。衛星の雲の写真では見えない、局地的な雲が時間の経

過による温度変化によって、発生しているということか・・・。 なかなか興味深い。



2001年11月18日 (日)  しし座流星雨

 さぁ、今夜はしし座流星雨の日、日本での出現のピークは、18日の深夜から19日の早朝にかけて・・・

21時、星見ポイントへ向けて出発。0時にはカメラも、望遠鏡もセットできた。20mmは、北極星に向け

てセットする。標準はどこへ向けようか・・・、こちらは様子を見ながら臨機応変として、とりあえず東

の空に向けておく。ここまで準備してから、望遠鏡で木星、土星と時間待ちの観望を始める。1時58分、

天頂に、今まで見たことの無い、大きな流星がながれた。そして、ここから撮影を開始する。ISO400

で、絞りはF4、5分露光することにして、2時5分に、最初のシャッターを切った。20mmと標準を交

互に切っていった。2時45分からは、二台同時に操作する。この頃になって、レンズに夜露がついている

のに気づく。シャッターを切って4分45秒で、シャッターを戻し、レンズの夜露を拭いて、フィルムを巻

き上げ次のシャッターを切る。すぐに隣のカメラに移って、同じ操作を繰り返す。そして、4分ほどホッ

と一息ついて、また次の操作にとりかかる。これを延々と続けて、4時20分に最後のシャッターを切っ

た。今夜の収穫・・・延々と続ける退屈な同じ動作の大切さ、と夜露対策。帰路途中の5時35分、明るく

なった南西の空に、ひときわ大きな流星が流れた。



     2001年しし座 流星雨の写真へ




2001年12月1日 (土)  望遠鏡ショップ「サイバーサイエンス」

 つい先日、新しく買った「星ナビ」を読んでいて、ショップ紹介の欄に、神戸のショップの紹介記事を見つ

けた。震災で大阪に避難していた店が、神戸に帰ってきたという。県庁のすぐ裏だ。店の名は「サイバーサ

イエンス」・・・記事を読み、写真を見ただけでは、何とも言えないが、神戸に開店したというのに、行か

ない手はない。今日、土曜日の午後寄ってみる。県庁裏の、小さなマンションの1階にその店はあった。出

てきたオーナーのA氏に自己紹介した上で、望遠鏡を手に入れてから、今までの経緯を一通り、簡単に話す

そして、何をしたいのか、決めきれずにいる・・というより、まず、望遠鏡を操作出来るようにしたい旨を

説明する。A氏は、ド素人の私の話を、イヤな顔もせず、商売気も出さずに、相槌を打ちながら丁寧に聞い

てくださる。こうして、1時間ほど話している間にミザールの中古の赤道儀が、モータードライブ付で売ら

れているのに気づく。赤道儀の頭には、鏡筒バンドではなく、プレートがついている。で、早速購入する

A氏は自分の、ジャンクBOXの中から、ミザールのカメラアダプターニコンマウントと拡大アダプターを

使いようがないからと無料で下さった。中古とはいえ、モータードライブ付の赤道儀を手に入れた。大きな

三脚を担いで、意気揚々と家へ帰った。



2001年12月2日 (日)  モータードライブ

 今日は、モータードライブの取り付けと、運転のテストだ。「サイバーサイエンス」のA氏に、教えてもら

ったとおりに取り付ける。モーターは乾電池で駆動する。まずスイッチ、運転の入、切と回転の順、逆の二

つのスイッチがある。回転の順逆とは、北半球、南半球の意味という。なるほど・・・。おそる、おそる、

スイッチを入れる。ジ・ジ・ジィーとモーターの駆動音が聞こえる。ここで、いったんモーターを止めて

何か天体を導入する。何にしようかと空を見上げれば、シリウスから始まる、大きな円弧が目の前にある。

その中から、ぎょしゃ座のカペラを取り込む。そして、教えられたとおりに赤緯環の読みをチェックする。

30分か1時間後に、再度読みを見れば、動きがわかるという訳である。ただじっと待つのも、大人気ない

三脚の台座を作るために、簡単な図面を書いてみることにする。廃材の大きさに合わせて、カットが最小

になるようにして、正三角に組めばよい。材料を揃えたところで、時計を見ると、1時間近く経っている。

赤緯環を見る。「ン・・・・?動いてない。読みはさっきと同じだ、おかしい。」モーターの駆動音は、

同じように聞こえている。電池が消耗しているはずはない。このテストのために新しい電池を用意した。で

いったんモーターを止めて、全てを取り外す。そして、もう一度取り付ける。ギヤの噛み合わせを、入念に

チェックして、今度は月を導入して、再びスイッチを入れる。再び1時間後・・・やっぱり、赤緯環の読み

に変化はない。「???」・・・もう一度最初から、考えてみる。が、解らない。今日は、テストはここ

で切り上げることにして、三脚台座を完成させることに専念した。「ナンデダロウ〜、ナンデダロウ!!」



2001年12月18日 (火)  モータードライブのテスト3回目

 前回のテストは、結局モーターが悪いことが解った。一式を、サイバーサイエンスに持ち込んで、いろいろ

調べてもらって、判明した。Aさんは、修理に出しても直る保証がないと、新品のモーターで補償してく

ださる。有難い・・・これではAさんは商売として、成り立たない。感謝・感激の一言に尽きる。で、今

日の3回目のテストとなった訳・・・まず、架台のレベル合わせから極軸合わせ、バランスの調整と一通

りチェックしていく。今回は、土星をとらえて画面の中央に据え、モーターのスイッチを入れて、追尾を

開始し、同時に録画も始める。1時間後、画面のなかを土星が移動している。追尾の精度が悪いのか、極

軸がきちんと合っていないのか、理由は何か・・・がんばって見つけ出そう。



2002年1月6日 (日)  モータードライブのテスト5回目

 モータードライブのテストも回を重ねた。いろいろなことが解ってきた。モーターの軸には、クラッチがあ

って、その締め付けが悪いと、赤道儀が正常に動かない・・・ことや、ギヤの噛み合わせが悪いと、これまた

うまく動かない・・・などなど、どこのマニュアルや取説にも、書かれていそうにない基礎中の基礎を、体得

してきた。そして、北極星と真の北極は一致している訳ではなく、正確に言えば、北極星も日周運動している

・・・。そして、そして、今夜のテストで気づいたこと・・・惑星と恒星の動きは、まったく違うこと。今夜

は月がないので、テストにシリウスを導入した。画面の中央にとらえて録画しながら、チ ェックしていくが今

までと違ってまったく動かない。きちんと追尾している。「?!・・・」と思って、すぐに気づいた。

惑星と恒星・・同じ動きの訳がない。こんなことで悩んでいたなんて・・・・これで、す べて解決だ。私の赤

道儀は、今のところ、精度は悪いが正常に追尾できる。これで、極軸合わせの精度を上げれば、追尾の精度も

上げられる。モータードライブのテストは、これで終了だ。

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